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自動車損害賠償(自賠責)保険とは

◆自動車損害賠償(自賠責)保険とは

自動車損害賠償(通称、自賠責)保険とは、人身損害に対して被害者1人当たり最高3000万円が支払われる保険のことです。

公道を走るクルマだったら必ず自賠責には加入しなくてはならず、強制保険とも呼んでいます。

 

◆自賠責は強制加入

車検期間以上の自賠責保険に加入していないと、自動車の新規登録や車検が受けられない仕組みになっているため、自賠責に加入していない自動車は存在しないはずです。

新車を購入するときには3年と1カ月分、車検切れの中古車を購入するときには2年と1カ月分の自賠責保険に加入しなくてはなりません。

しかし、車検切れの自動車を乗り続けている人がわずかながらにいます。また、車検のない50ccバイクなどは自賠責が切れたまま運転している人が少なくないようです。

※ 違反者には、6カ月以下の懲役、または5万円以下の罰金。違反点数は6点で30日間の免許停止処分となっています。

 

◆自賠責保険の目的は交通事故被害者の救済 のため

自賠責保険は国が始めた対人保険制度で交通事故の被害者が泣き寝入りすることなく、最低限の補償を受けるられるようにすることが目的です。

ですから任意保険とは違い、被害者が直接、損害賠償額を請求できるようになっています。

つまり、加害者が夜逃げしてしまったり、面倒くさがって保険の手続きをしないなどの場合、被害者は加害者の加入している保険に対して損害補償額を勝手に請求できることから泣き寝入りを防ぐことができます。

※ 事故が起こってしまった場合、被害者は必ず加害者の保険の証書番号などを調べるようにして相手方の保険を把握しておきましょう。

 

◆自賠責の時効

自賠責保険の請求権の時効は2年です。時効を過ぎてしまうと、保険金の支払いはなくなってしまいます。

ただ、時効の起算日については被害者と加害者で違ってくるので注意が必要です。

※ 被害者請求は加害者の賠償責任が発生してから2年で時効

※ 加害者請求は賠償金を支払った日の翌日から2年で時効

 

◆支払い限度額について

被害者が死亡した場合、「葬儀費」、「逸失利益」、「慰謝料」あわせて最高3000万円まで、または死亡に至るまでの治療関係実費、 休業損害、慰謝料など最高120万円まで。

被害者に後遺症が残ってしまった場合、「逸失利益」、「慰謝料」あわせて14の等級認定により最低75万円から最高3000万円まで。

被害者がけがをした場合、治療関係実費、休業損害、慰謝料などあわせて最高120万円まで。

支払い限度額は以上のようになっています。

これは被害者1人あたりの金額であって、一事故あたりの金額ではありません。

つまり、人の列に突っ込んでしまい、一度に数人の命を奪ってしまった場合などは最高3000万円×人数分の保険金が支払われることになります。

 

◆交通事故証明書

自賠責は人に与えた損害を賠償する保険ですから、人身損害という証明がなければ保険は下りません。それを公的に証明する書類といえば交通事故証明書です。

ですから、たとえ、軽くてもけがをしていたら、必ず警察へ通報するようにしなくては自賠責は請求できません。

事故時には痛みなどはなくても2,3日後になんらかの症状が出るような場合は早めに病院へ行くようにしてください。

診察の結果、異常が認められたら警察に人身事故の届出をしてください。


 

◆死亡した場合の保険金

被害者が死亡した場合、最高3000万円を限度に、?葬儀費?慰謝料?逸失利益の3つの項目の合計が支払われます。

または?死亡に至るまでの損害(治療関係実費、休業損害、慰謝料など)も最高120万円まで支払われます。

 

?葬儀費

葬儀費として定額60万円が支払われます。

60万円を超える場合、「社会通念上必要かつ妥当」な範囲で認定され、最高100万円まで支払われます。

定額を超える場合、領収証など書類が必要になります。

 

?慰謝料

慰謝料とは精神的苦痛に対する賠償金のことで、死亡した本人分と遺族分とに分けて計算されます。

本人慰謝料は350万円で、遺族が受け取ります。

 遺族慰謝料は請求権者が1人の場合500万円、2人の場合600万円、3人以上の場合700万円です。

請求権者は被害者の父母、配偶者、子になります。

また被害者が家族を扶養していた場合、200万円が加算されます。

 

?逸失利益

逸失利益とは被害者が生きていれば得られたであろう見込み収入のことです。

計算式は 逸失利益=(収入額?本人の生活費)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数 となります。

・収入額

被害者本人の将来の収入です。基準は年齢別平均給与額、全年齢平均給与額、学歴別給与額の3つあり、被害者の職業、年齢に応じて異なってきます。

・本人の生活費

死亡により被害者本人の将来の生活費がいらなくなるため収入から本人の生活費を差し引きます。

 生活費の証明ができれば実額を控除しますが、ほとんどの場合、証明するのは難しいため、被扶養者がいる場合は収入の35%を控除し、 被扶養者がいない場合は収入の50%を控除します。

・就労可能年数に対応するライプニッツ係数

ライプニッツ係数とは将来の収入を一時金で受け取るため途中で発生する年5%の利息を複利で差し引く係数のことをいいます。

 

◆後遺症が残ってしまった場合の保険金

被害者に後遺症が残ってしまった場合

?逸失利益  ?慰謝料の合計が支払われます。

 症状に応じて最も重い1級から最も軽い14級の等級に分けられ、等級別に限度額が決められています。

請求するには、主治医から症状固定とみなす診断を受ける必要があります。

症状固定とは治療を続けても医学上はこれ以上回復の見込みがない状態のことで、障害の程度によって差はありますが、事故から6カ月くらい症状が回復しないと症状固定と診断されることが多いようです。

 

?逸失利益

逸失利益とは被害者が生きていれば得られたであろう見込み収入のことです。

計算式は逸失利益=収入額×労働能力喪失率×後遺障害確定時の年齢に対するライプニッツ係数 となります。

・収入額

被害者本人の将来の収入です。基準は年齢別平均給与額、全年齢平均給与額、学歴別給与額の3つあり、被害者の職業、年齢に応じて異なってきます。

・労働能力喪失率

労働能力喪失率とは後遺障害により労働能力が低下するため1級から14級までの等級別に決められています。

ちなみに1級から3級までが100%、14級では5%となります。1級から3級まではまったく仕事ができないとみなされるわけです。

・後遺障害確定時の年齢に対するライプニッツ係数

ライプニッツ係数とは将来の収入を一時金で受け取るため途中で発生する年5%の利息を複利で差し引く係数のことをいいます。

 

?慰謝料

慰謝料とは精神的苦痛に対する賠償金のことで後遺障害の慰謝料は等級に応じて定額が決まっています。

1級は1050万円(被扶養者がいる場合1250万円)。14級は32万円。

1級から3級までは被扶養者がいれば金額は高くなります。

 


◆けがをした場合の保険金

被害者がけがをした場合、

?治療関係費  

?休業損害

?慰謝料などが支払われます。

※ 支払い限度額は最高120万円までです。

?治療関係費

「診療費」…診察料、入院料、手術料、、歯科治療費、投薬料、看護料、護送費など「付添費」…医師の指示で親族が付き添いした場合、1日あたり4000円

?休業損害

休業損害とはけがのため仕事を休んでしまい、減ってしまった収入のことです。

※ あくまでも現実に減収した部分だけが認められます。

?慰謝料

慰謝料とは精神的苦痛に対する賠償金のことで、一日当たり、4100円です。

慰謝料支払い対象の日数については「治療期間」の日数と「実治療日数」を2倍した日数を比べてどちらか少ない日数になります。

◆自賠責の請求方法は3種類

自賠責では、当事者の置かれている状況に合わせて「仮渡金請求」「内払金請求」 「本請求」の3種類の請求方法ができます。

◆仮渡金請求

自賠責では賠償金の前に当座のまとまったお金を受け取ることができる仮渡金請求があります。

被害者のみが可能で医師に「仮渡用の診断書」を書いてもらい、請求書とともに提出します。

1週間程度で迅速にお金をもらえることから被害者の強い味方になっています。 仮渡金は被害の程度によってもらえる金額が違ってきます。

・死亡の場合…290万円

・入院14日以上かつ治療30日以上を要する場合…40万円

・大腿骨・下腿骨の骨折…40万円

・入院14日以上を要する場合・入院を要し治療30日以上を要する場合…20万円

・治療11日以上を要する場合…5万円

請求は1回のみです。

また、これらのお金はあくまで「仮に渡すお金」ですので最終的に決定した請求額を上回っていた場合、差額を返さなければなりません。

 

 

◆内払金請求

損害額が10万円を超えた時点で休業損害や治療費、入院雑費などをその都度請求できる内払金請求があります。

被害者、加害者どちらからでも何度でも請求できます。

ただ、ひんぱんに請求すると診断書やレセプトなど文書料がかかります。

仮渡金を受け取っている場合には、損害額が仮渡金プラス10万円を超えないと支払われません。

また、被害者救済のため、迅速に概算払いを行う仮渡金請求とは違い、事故の状況や「無責」「重過失減額」の要素をチェックするため、 請求から支払いまでに約1カ月かかります。


 

◆本請求

本請求とは被害者では治療がすべて終了した段階、加害者では損害が確定し、被害者に賠償金を支払った段階で請求する方法です。

損害額を合計し、今までに受け取った「仮渡金」「内払金」を差し引いた残りが支払われます。

内払金請求と同じく請求から支払いまでに約1カ月かかります。

 

 

◆政府保障事業(ひき逃げや無保険者の場合)

ひき逃げで加害者の身元が分からなかったり、無保険者で加害者の支払い能力がなかったりした場合、国は被害者が最低限の保障が受けられるよう自賠責の0・5%を別会計で管理し、ひき逃げや無保険者の請求に応じています。

けが、死亡、後遺障害の支払い項目など基本的な支払い方法は自賠責と同じです。違う点は次の通りです。

・仮渡金、内払金なし

・過失相殺(自賠責では被害者に7割以上の過失がない限り100%支払い)

・治療費は健保診療の単価のみ

・理由のいかんを問わず時効は2年

※ 自賠責と比べると、補償内容が悪く、政府保障事業は被害者に対する最低限の救済措置の意味合いが強いといえます。

 

 

◆自賠責に過失相殺なし

自賠責保険は、任意保険のように過失相殺は行いません。70%までの過失では全額支払われ、それを超えると減額されます。

減額の割合は次の通りです。

〈死亡・後遺傷害〉
70%以上80%未満…20%減額
80%以上90%未満…30%減額
90%以上100%未満…50%減額
100%(加害者無責)…100%減額(支払いなし)

被害者の過失割合が100%、つまり加害者無責の場合、死亡事故でも、保険金がおりないことがありますので注意が必要です。

 

 

◆自賠責の解約

自賠責は廃車にした場合や解体されたことが証明されれば、解約することができます。

保険を打ち切った日から日割り計算によって残りの保険料分が戻ってきますので解約は速やかに行いましょう。

また、自賠責は同じ車種なら解約せずに車両入れ替えで対応できます。

※ 自賠責の証明書に新しいスクーターの車体番号とナンバーを書き入れてそのまま満期まで使用できます。

 


◆自賠責に示談交渉や請求代行のサービスなし

自賠責保険に制度上、示談交渉や請求代行のサービスはありません。

自賠責に被害者請求する場合、基本的に本人または遺族が行うしかありません。

ですから、ある程度の仕組みを勉強し、知識を蓄える必要があります。

一方、加害者が任意保険をかけている場合は任意保険会社の担当者が被害者と交渉することになりますが、軽い事故や被害者の過失が大きい場合は動いてくれません。

 

 

◆自賠責以外の公的補助

交通事故で後遺障害が起こった場合、自賠責以外の公的補助を受けることができます。

公的補助は以下の通りです。

・身体傷害者手帳の申請
・国民年金・厚生年金の障害者年金の申請
・労災の障害補償年金・労働福祉事業団の特別支給金

※ 認定の方法はそれぞれに異なりますが、積極的に問い合わせてみることをおすすめします。

 


◆自賠責保険料について

自賠責保険料は次の通りです。

<12カ月契約>

 自家用乗用   1万6950円
 小型貨物自動車自家用  1万5350円
 軽自動車(検査対象)  1万3250円
 軽自動車(検査対象外)  1万3250円
 小型2輪   1万4550円

 原  付

   7700円 


<24カ月契約>

 自家用乗用   2万7600円
 小型貨物自動車自家用    ―
 軽自動車(検査対象)   2万300円
 軽自動車(検査対象外)   2万300円
 小型2輪   2万2290円

 原  付

   9500円 



<36カ月契約>

 自家用乗用   3万7650円
 小型貨物自動車自家用    ―
 軽自動車(検査対象)  2万7500円
 軽自動車(検査対象外)   2万700円
 小型2輪     ―

 原  付

 1万1250円 





 


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